かばちるミュージック

J-POP好きによる初心者のための音楽ブログ

【ヒット曲分析】ルビーの指環 / 寺尾聡

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こんにちは!
誰もが知るヒット曲ってたくさんありますよね。
その曲がなぜ売れたか、みなさんは考えたことありますか?
当たり前のように知っている曲も、改めてじっくり聴くことで良さに気づくこともあります。
今回は僕なりの視点から、ヒット曲の分析をしてみたいと思います。

ルビーの指環 / 寺尾聡

言わずと知れた、寺尾聡さんの代表曲ですね。
当時の人気音楽番組『ザ・ベストテン』では、なんと12週連続1位という、番組記録を持っています。
 
改めて聴いてみると、魅力が満載の曲でした。
まずはやはり、イントロのギターのフレーズが印象的ですよね!
ここを聴くだけでも『ルビーの指環』だとすぐわかるほど、代名詞的な存在感を放っています。
そしてこの曲は、当時も今もあまり類を見ない、珍しい手法がいくつか入っています。

キーの低さ

一般的なJ-POPは、Aメロ・Bメロのキーを低めにして、サビで高くなることが多いですよね。
その方がドラマチックな演出になりますし、歌いやすさにもつながります。
しかしこの曲は、終始低いキーで歌われています。
さらにサビの最後「♪あなたを失ってから~」でキーを下げて終わるというのもびっくりですね。
全体のキーが低い分、その方がかえって印象に残りやすいといえるでしょう。

曲の構成

この曲はイントロが終わるとサビから始まります。
ここまでは他の曲でもよくあるパターンですね。
 
しかし、サビが終わったあとの余韻も残さず、すぐにAメロが始まります。
そしてサビの前で、少しだけ間奏が入ります。
わかりやすく違いをまとめると、こんな感じです。
 
  • 一般的なサビ始まりの曲
サビ~間奏~1番Aメロ(Bメロ)~サビ~間奏~2番Aメロ(Bメロ)~サビ
サビ~1番Aメロ~間奏~サビ~2番Aメロ(Bメロ)~間奏~サビ
 
この『ルビーの指環』の構成、すごく大きなメリットがあると思うんです。
それは、サビの流れでAメロに入ることで、サビの続きのような印象を与えること。
つまりAメロも含めてサビみたいなことですね。
よく、「サビはわかるけどあとは覚えていない」曲ってありませんか?
それが起きにくいということです。

「こぶし」の効かせ方

歌唱テクニックのひとつに、「こぶし」というものがあります。
これは説明するより実際に聴いていただく方が早いですね。
 
サビの部分
くもり硝子の向うは風の街
くもりがらすのむぅうこうはかぁあぜのまち
問わず語りの心が切ないね
とわずがたりのこぉおころがせぇえつないね
この、赤文字の部分に注目して聴いてみてください。
少しひっくり返るような、特徴的な歌い方をしていますよね。
これが「こぶし」です。
 
こぶしを言葉の先頭に使うことで、アクセントが生まれます。
それによって低いキーのサビでも単調になることなく、自然に聴けてしまうのです。
ここまでこぶしをわかりやすく、意図的に取り入れている曲はなかなかないでしょう。
 

まとめ

以上、『ルビーの指環』の分析をしてみました。
この曲がいかに他と違うか、聴いてみて実感することができました。
それだけ印象に残りやすい曲ということですね。
大ヒットするのも納得できます!
みなさんもぜひ、今回挙げた点を意識しながら聴いてみてください!
 
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。

またね!